2009年01月08日

ノー!ブラザー!【「恥」めてのおつかい】

あれは兄、長男が小6、次男が小3、僕が小1のころのお話。

そのころ我が家はお盆・正月になると家族でちょっと離れたところにいるおじいちゃんおばあちゃんの家に決まって遊び(2泊3日くらい)にいく習慣を持っていた。

しかしそこはいつもと勝手の違う土地。
家族以外には友達がいるわけではなく、集中力のない子供たち(今があるわけでもないが)は家にいるのが飽きてくる状況が毎度訪れるものだ。

すると普段はつるむことの少ないわれわれ兄弟も
珍しく一緒に行動を共にするのであった。

ちょうどあの日は親からいくらかのお小遣いをもらって、
近所の文具店に買い物(暇つぶし)に行った日だった…


われわれが訪れた文具店はおそらく個人経営であろう
小さな規模で、客寄せなのか小学生が好みそうな駄菓子が置いてあるような店である。

レジに店主だと思われるおじさんが座っており、休み中ということもあって他にはお客さんがいない状態。

各々好き勝手に文房具や駄菓子を物色し5分くらいたったときだろうか、
僕は大好きな「キャプテン翼 写し絵ブック」という魅力的なアイテムを発見。
(今で言うと多分トレーシングペーパー。表紙だけキャプテン翼であとは写し紙だけ。)

僕はその写し絵ブックを手に取り「これはどうしても欲しい」という欲求に駆られ、さきほど親から与えられたお小遣いで購入を決意した。

しかし財布を持っているのは年の功(?)で長男。
そこで僕は長男を探そうと振り返り狭い店内を見回した。


「(……あれ?)」

「(……いない。)」

「(……どこにもいない!)」

そこはまだ小学1年生。
置いてきぼりで一人ぼっちという不安に襲われ、
兄を探すために店外へ走り去った。

そして辺りを見回すと10m先に捕らえた兄二人のうしろ姿。
とりあえずホッとし本来の目的であるお小遣いをもらおうと兄のうしろ姿を追いかけ、

お兄ちゃ〜ん!!キャプテン翼の写し絵ブックが欲しいから買っ…

おぉ〜、ちょ、ちょっとちょっとキミキミ!!

背後から聞き覚えのない声がかかる。

ダメだよ〜、お金払わないで持っていっちゃ!!

振り返ると文具屋の店主であった。

そう、僕の手にはしっかりと「キャプテン翼の写し絵ブック」が握られていたのだ。

あ、す、す、すいません。こ、これ欲しいんです…

全く予期せず万引き犯扱いされたことに動揺し涙目になりながら説明する僕。

何か変な雰囲気を察知したのか兄(長男)が戻ってきた。

(そうそうそう、これでお金を払えば僕は万引き犯でもなんでもな…)

お前何してんだよ!そんなのいらねえだろ、返せ!

(えぇぇぇぇぇ!!!!!泣)…いやこれ欲し…

いいから、店のもの勝手に外に持ってきたりすんじゃねえよ!

あ、すいませんでした。
と一応店主に謝る兄(長男)。

とりあえず「キャプテン翼写し絵ブック」を涙ながらに店主に返す僕。

帰り道、

(嗚咽)何で買ってくれないの〜、お小遣いもらったじゃ〜ん!!!

と万引き犯扱いされたこと、キャプテン翼写し絵ブックが買えなかったことのダブルパンチで
号泣する僕。

すると
何言ってんだよ、お前の取分はねえに決まってんだろ。(長男)

何でだよ!3等分だったら僕の分も300円くらいは…

仮に分けたとしても分配がおかしいじゃねえかよ。(長男)
それで言ったら年齢差からして700円、200円、100円くらいだな。(長男)
だからいずれにせよお前にあれは買えねえっつうの。(長男)

とジャイアンのようなセリフ。比率の計算も意味が分からない。

さらに畳み掛けるように
うるせーよ、盗人は黙ってろっつーの!ひっひっひ…(次男)

底なし沼のように沈み行く心…
そして涙も止まらず家路に着く。

家に着くや否や

お母さん!コイツ盗人だぜ〜!!ぎゃははははははは!!!!(次男)
盗人♪盗人♪うははははは!!ヒーッヒーッ!!(次男)

…この瞬間僕の生涯での兄に対する感情は決定したのかもしれない。


僕はこのノンフィクションを「はじめてのおつかい」というテレビ番組に捧げたい。
posted by すかんぴんプロジェクト at 18:28| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ノー!ブラザー! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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